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  (2/23) 2005―2006年秋冬ロンドン・コレクション速報 「イーリー・キシモト(Eley Kishimoto)」

 「イーリー・キシモト(Eley Kishimoto)」が一段上のアッパーブランドを意識して、ギアチェンジしたようです。オリジナルのプリント柄で知られていますが、今回はプリントを抑え気味に使い、全体に落ち着いたテイストを打ち出しています。

 シルクやベルベットを使うなど、テキスタイルを重視し、バリエーションを広げたところにも、「プリント=イーリー・キシモト」というイメージの固定化を避けようとするデザイナーの決意が感じられます。イタリアのスポーツウエア・ブランド「エレッセ」と組んで、2005年春夏物から新ブランド「イーリー・キシモト・エレッセ」を本格的にスタートさせたのに伴い、イメージの違いをはっきりさせようとする狙いが読み取れます。

 プリント物は今までの大きめのモチーフがぐっと減り、細かい柄や部分使いのボーダー(横縞)が増えました。特に強調されていたのがチェック柄。英国ブランドらしくブリテッシュテイストをアピールしています。

 色目も今までとははっきり変わりました。ベースになっていたのは茶系。マットゴールド、スモーキーピンクなどの落ち着いた色が好んで使われていました。差し色では黒を多用。フィナーレではイーリー夫妻も全身ブラックで登場しました。

 これまでは「我が道を行く」感のあった「イーリー・キシモト」ですが、今回はバルーンスカートを採り入れるなど、モードへの配慮がうかがえました。バルーンスカートはさまざまなメゾンから出ていますが、「イーリー・キシモト」はレース素材でアンティーク風に仕上げつつ、トップスにニットやベルベット素材を合わせて、上品な「リアルクローズ」に変身させていました。

 もちろん、「イーリー・キシモト」がコンサバティブになったわけではありません。ミトンの手袋が付いたニットや、チューブトップ・ジャージー風のワンピースからはデザイナーの遊び心とハンドクラフト志向が伝わってきます。トッグル留めのチャイナカラーコートや、サッシュベルト使いのショートドレスは新しい挑戦です。

 ハイソックスには長い草が足にからみついたかのような、大きな曲線モチーフを描きました。ヒョウ柄も登場。2005年流行のアフリカンテイストに対応したかのようにも見えます。インパクトが強かったのはファイアーモチーフ。全身を炎で包んだかのように見えるファイアーモチーフはやはり、彼らが「プリントのマジシャン」であることを証明していました。

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